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『オリエント急行殺人事件』(1974年/英)~~クリスティ原作映画の最高峰~

久々に『オリエント急行殺人事件』を観る。

そりゃもちろん原作本には敵いません。でもそれ言っちゃ野暮天。
推理映画としての質云々より、豪華キャスト眺めるだけでお酒が旨いぞ。
豪雪に行き止まる列車という舞台は、ミステリの鉄板舞台設定=雪山の山荘の亜種なんですね。
物語の進行と列車の運行をなぞらえるあたりも、さすが名匠シドニー・ルメット、そつがありません。

大体、この手の映画では、キャスティングで何となく真犯人の目星がついちゃう。
でも本作は、出演者の誰もが主役級の為、その予想がつかない。
もしかすると、映画の成功の一番の立役者は、このキャスティングかも?なんて(^^)

公爵夫人のオファーを断って自らみすぼらしい宣教師役を選んで
見事アカデミー助演女優賞を獲ったイングリッド・バーグマンの役者根性もスゴいけど、
個人的には何と言っても、大好きなジャクリーン・ビセット!
12人も容疑者がいるから、出番も台詞もそんなにないけど、いいもん!観てるだけでいいんだもん!

でも、大ファンのジャクリーン・ビセットには申し訳ないのですが、
本作で最も素敵なのは、ヴァネッサ・レッドグレイヴなのです!
もう最高のウィンクなんだから!

そんなゴージャスさの片鱗がうかがえる予告編はこちら

http://www.youtube.com/watch?v=JTYA01glGqo
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『SOMEWHERE』(2010年/米)~ユルくてヘンで耽美な、どこにも着地しない「軽さ」~

ヘンな映画だ。
宣伝的には「家族の大切さに気づくハリウッド・スター」的な、「ハートウォーミング感動系」みたいな謳い文句。
でも違うだろこれ。

スティーヴン・ドーフ演じるハリウッド・スター:ジョニー・マルコ。
表舞台はほとんど描かず、(それらしきは唯一、イタリアでの映画祭授賞式のみ)
セレブで怠惰で退屈なドル箱スターの日常をオフビートで物語る。

ホ-ムパーティー酔っ払って階段で転んで手を骨折。
自宅療養の暇つぶしにポールダンスのおネエちゃん呼び出し。
おネエちゃんたち、踊り終わったら持ち運び用のポール(そんなんあるんかい^^;)を
自分達でお片付けして撤収…。
ユルい。ユルくてオモロい。

特殊メイク用マスクの顔面型取りで鼻の穴だけ残して材料で塗り固められ、動いちゃいけない40分。
カメラ、ゆっくりズームする…ズームする…何にも起こりゃしない。
ユルい。ユルくてオモロい。

そしてヘン。

終始そんな調子で進むハリウッド・セレブの舞台裏。極めつけは、唯一描いた表舞台=イタリアでの映画祭。
これはさすがに細かく説明しませんが、高田純次並みのテキトー。

この「軽さ」。
実情を知る人間でしか、このオフビート感では描けない。
すなわち、巨匠フランシス・フォード・コッポラの愛娘、ソフィア・コッポラだ、と。

ヴェネチアの金獅子賞と獲ったらしいが、
このヘンなオモロさは、正にそこに集ったセレブならびに業界関係者はウケるでしょうなあ。

『SOMEWHERE』、ここ(市民生活)ではない何処か。その虚ろで耽美な「軽さ」。
ハッピーでもビターでもないSOMEWHEREな着地もヘンだ。(良い意味で)

スタッフとして僕らのような仕事をしてると、
外からは「いいなあ、芸能人と会うんでしょう?」などと言われることも多いのですが、
「うん、まあ、それはそうなんだけど…」
って上手くニュアンスが伝えられない事があります。

だから、マネージャー、プロデューサーなど、アーティストと接するお仕事の方々にとっては
その「伝えられないニュアンス」が目白押しでちょっとオモロいかも。ヘンだけど♪

あと、『SUPER8』のエル・ファニングは本作でも最高。
多分彼女、将来のドリュー・バリモアになるな。
↓公式サイト
http://somewhere-movie.jp/index.html

『ジャーロ』(2009年/米・伊)~またしてもやってくれました♪ ダリちゃんったらもう♥~

ダリオ・アルジェント監督の『ジャーロ』を観る。

アルジェントと言えば『サスペリア』だけど、僕は断然『サスペリアPART2』!
(↑『サスペリア』大ヒットに便乗して2って邦題だけど、
ホントはそれ以前に作られていて原題は『Profondo Rosso』=深い赤)
この邦題のせいで、アルジェントはホラー映画作家という誤解が(^^;)

ホントは(血みどろは血みどろだけど)ミステリ映画作家。
『サスペリアPART2』はその最高傑作で、
論理的にはむちゃくちゃなんだけど、「映像によるミステリ」としては
阿鼻叫喚、ひっくり返るような大トリック(人によっちゃ怒るかもしんない^^;)!
これにヤラれて推理小説好きの僕はほとんど全作をおっかけてます。

アルジェントのまた凄いとこは、前中期はホントに傑作といえる<ジャーロ>映画
(ジャーロ=黄色=イタリアでミステリを意味。ミステリ本のカバーがどれも鮮やかな黄色だったことに由来)
を作ったんだけど、それ以降今に至るまでヘボい映画しか作れていないとこ。←どこが凄いんだ^^?
演出や色彩感覚は抜群で、毎回ファンをぐいぐい惹き込むんだけど
最後は決まって「ありゃりゃりゃりゃ…^^;」
しかしファンは、このヘボさにもめげず、「いつかまた素晴らしい<ジャーロ>映画を撮ってくれるはず!」
と、お布施のように新作を待ち望むのです♪

で、今のとこ最新作、その名もズバリ『ジャーロ』!
タイトルからして期待させるぢゃありませんか!
しかも主役は『戦場のピアニスト』のアカデミー賞俳優、エイドリアン・ブロディ!
そして、オープニングから往年のアルジェント節大爆発!
ついに…ついにやってくれたかアルジェントお~!

…やってくれませんでしたOrz
最初はですね、冒頭で仕掛けがわかっちゃった気がしたんです。
一応、バリバリのミステリ・ファンですから、たまにミステリもので真犯人わかっちゃう事があります。
『ユージュアル・サスペクツ』とかね。
でもいいの。アルジェントの今回のはわかっちゃったけど、
どう決着の妙技を見せてくれるか?ファンとしては、それだけで十分だよ。

(92分経過)

…決着すらつかないOrz
っていうより、俺が予想してた仕掛けのほうが、よっぽどミステリとして良く出来てんじゃん(TT)
そうでなくても、もうちょい心の裏表や、追う物と追われる者の相似性を明確にするとかさあ…。

でもメゲないぞ。
やってくれる。アルジェントなら、絶対いつかやってくれる。
…ううむ。ファンにここまで信じ込ませているのが
もしかしてダリオ・アルジェント最高の騙しトリックだったりして?

*  *  *  *  *  *  *  *  *  *

動画は『サスペリアPART2』のアメリカ版予告編です。タイトルは『DEEP RED』!正しい。実に正しいぞ。
http://www.youtube.com/watch?v=mzOJ_63u3mM
プロフィール

jinbonham

Author:jinbonham
ハリウッド大作から
ミニシアター系まで
好き嫌いなし!で愉しんでます。
ツイッターでは映画に加え、
音楽・ミステリ・SFなど
仕事と趣味を
織り交ぜてつぶやき中。

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