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『告発のとき』(2006年/米)~戦闘シーンなしの戦争映画に、アメリカのリアルを観る~

大好きな『クラッシュ』を撮ったポール・ハギス監督の『告発のとき』を観る。
失踪した米陸軍人の息子の行方を追う、元軍警察官の父。
真相を追う内に次第に明るみになるイラク戦争の傷跡。

“宇宙人ジョーンズ”こと、トミー・リー・ジョーンズの寡黙な演技。
作品ごとに、単なる美人女優さんではない役者根性を見せる、シャーリーズ“今回はすっぴんで勝負”セロン。
そして何より、質実剛健なポール・ハギスの脚本・演出。
それらすべてが絡みあった、骨太で見応えある本物のドラマだ。

電話で夫から報告を受ける妻=スーザン・サランドン。
夫と妻を交互に捉えたショットから、唐突に妻を天井から捉えたショットに変わる。
そのカットだけで、妻の心のうちのすべてを語る。
思わず「巧い!」と声が出てしまった。
脚本家なのに、台詞やストーリーに頼らない、絵だけが伝えるものが判っている。
ポール・ハギス、並々ならぬ映画作家である。

この手の映画を観るたびに、
米国は、今も尚リアルタイムで戦争と向き合っているんだなあ、と強くそう思う。
日本では、幸か不幸か、題材は第2次世界大戦まで遡らざるを得ない。
そこで描かれる戦争の悲惨さ・命の大切さは、ある種遠くノスタルジックなまなざしをはらんでいる。

『告発のとき』
戦闘シーンと呼べるものは一切ないにも関わらず、
逆さに吊るした星条旗が意味する「ここから助け出してくれ」という現代アメリカのSOSが
静かに痛切に響く秀作である。必見。
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プロフィール

jinbonham

Author:jinbonham
ハリウッド大作から
ミニシアター系まで
好き嫌いなし!で愉しんでます。
ツイッターでは映画に加え、
音楽・ミステリ・SFなど
仕事と趣味を
織り交ぜてつぶやき中。

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